シングルファザーとして育児と仕事を両立する中で、いちばん心配していたのが周りからの目や偏見でした。
・男がひとりで子育てなんて無理だろう
・仕事と育児、どうせどっちも中途半端になる
・職場に迷惑かけるな
・小さな子にママがいないなんて可哀想
──そんな声が、きっとどこかから聞こえてくるんじゃないかって。
正直、もし自分が子どもを持っていなければ、同じように思っていたかもしれません。だからこそ、理解されない覚悟はしていました。
覚悟が伝われば、応援してくれる人がいる
実際には、自分の覚悟がしっかり決まっていたからか、きちんと話して説明した人たちは、みんな応援してくれていました。
「お前がどうなろうと構わない。でも子どもは幸せにしてやれ」
そんな風に言ってもらえたこともありました。きっと、自分がボロボロになっても守るという覚悟が、相手にも伝わっていたんだと思います。
保育園の先生たちの温かさに支えられて
保育園の先生たちも、偏見の目なんて一度もなくて。むしろ、たくさん相談に乗ってもらったり、第二の母のように支えてもらいました。
子ども自身も、先生たちによく懐いていて。先生たちのあたたかさが、きっと子どもの心にも届いていたんだと思います。
職場の理解と優しさに助けられた日々
仕事の現場も本当に理解があって、子どもの体調不良で早退したり休んだりしても、
「子どもが一番だろ」
そう言ってもらえたのが、何度も何度も救いでした。
上司のひとりは、子どもの誕生日にプレゼントを用意してくれたことも。
「お前にじゃないぞ。お子さんが喜ぶ顔を思い浮かべながら選んだんだ」
──そんな職場環境にいられたのは、本当にありがたいことだったなと思います。
受け取った優しさを、次の誰かへ
その後、社内でも赤ちゃんに恵まれる人たちが増えてきて。
私がしてもらったことが、ちゃんとみんなにも受け継がれて、子どもたちの存在がもっと大切にされる職場になっていきました。
今は、私もあのとき助けてもらった分、次の誰かを支えられる側になりたい。そんな気持ちで働いています。
ふとしたとき、救われたひと言
そういえば、子どもがまだ小さかった頃、ふとした瞬間に「ママがいないこと、寂しくない?」と聞いたことがありました。
でも、本人は気にした様子もなく、あっけらかんと笑っていたんです。
その姿に、どれほど救われたか。あのときの笑顔は、今もずっと心に残っています。
おわりに
偏見や周囲の目を恐れていた日々も、いざ覚悟を決めて向き合えば、支えてくれる人は必ずいると知りました。
もし今、同じように不安や孤独を抱えている方がいたら、「勇気を出して頼ってほしい」と伝えたいです。
あなたの頑張りを、きっと誰かが見てくれています。
コメント